企業研修の定番ともいえる「ロジカルシンキング」と近年はやっている「デザインシンキング」。弊社の公開講座では両方ともご紹介しているので、今日はその違いについてご説明したいと思います。
どちらも課題解決や新規プロジェクトの提案に使えるフレームワークを学びとその使い方を体感するという点においては共通です。
大きく違うのはスタート時点で、ロジカルシンキングでは課題がすでにある前提で、その課題を分解していくことからスタートします。ところがデザインシンキングではまだ見つかっていない課題を発見することからのスタートとなります。また、課題を発見する段階ではユーザー目線を持つことが強調され、ユーザーの気持ちを分解して考えるためのフレームワークや、行動観察の大切さが強調されます。
また、発想の深め方も違います。ロジカルシンキングで大切なのはMECE(もれなく、ダブりなく)という考え方で、ある一定の範囲内で抜け漏れがないようにまるでパズルのピースを一つ一つ組み合わせるように発想してゆき「枠を埋める」という作業をします。デザインシンキングでは、いかに枠を超えた発想をするかということを目指しますので、ポストイットが足りなくなることもしばしばです。
研修のニーズから言うと、仕事上のお困りごとを優先順位をつけて一歩一歩片づけられるそれを分かりやすく報告できる人になってほしい→ロジカルシンキング、もっと顧客目線であらたな課題に気づける人になってほしい→デザインシンキング となります。
サイコム・ブレインズ ディレクター/シニアコンサルタント 勝幹子