コラム

クロージングは白か黒か決着をつけることではない

弊社では日本で30年の歴史をもつ「UPC」(Understanding、Proposing、Closing)という営業コミュニケーションフレームワークに基づくトレーニングをインドネシアに向けてローカライズしてご提供しています。

前回より3回にわたり、このU、P、Cそれぞれの特徴をご紹介しております。今回は「C」=Closingの話になりますが、営業にとってクロージングというと商談の「成立」か「失注」かを決めることというイメージを強くお持ちの方が多く、そのために、「C」を実施しないまま面談を終了してしまうことが、日本人とインドネシア人共通にみられる残念な現象だと思います。

「UPC」ではクロージングというのは、商談の成否を決めることではなく、「次のステップ」を明確にお客様と合意することであると学びます。例えば、もう少し詳しい仕様を検討したいと意思表示をされたお客様がいるとします。受注に至るまでには、詳しい仕様提出→担当レベルで検討→質疑→上司を交えた検討をしていただく→購買部の許諾を得る とまだまだ遠い道のりです。ここでよくあるのは「まだ競合と比較しているところだから、あまり詳しく次の話をきめようとすると失礼かな」「反応がいまいちだから次についてこちらから切り出すのはやめよう。乗り気だったら相手から言ってくるはず」等と考えてしまい、詳しい仕様をお出しするという約束だけをして終わりにしてしまうケースです。Closingの基礎を学べば、「仕様検討は何日までを予定しているのか」「質疑があるだろうから次は上司を交えてミーティングをするほうが良いがいつがよいか」「購買の許諾を得るためには何日までに購買に情報を提出必要があるのか」等を確認して、「〇日までに資料検討を終え、×日までに上司に情報提供、△の週に上司をいれて 次回ミーティングをセットする。うまく行けば□日に購買申請を出す。」というように具体的なアクションをお客様と合意できるようになります。

こういった積極的なクロージングは、押し売りというよりも、お客様にとっては次の行動を一緒に整理してくれるアドバイスとなることも多く、営業のプロフェッショナルな印象を強めるといったポジティブな効果もお伝えしてゆきます。

一歩ずつ、無理のないクロージングを積み重ねていくことで「受注」を実現する、実践的なフレームワークをぜひ活用していただきたいと思います。

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